よくある質問
- IPO準備企業の監査役から寄せられる質問一覧
よくある質問
社長との関係
毎月
四半期毎
年度毎
ゼロ
など回答は分かれました。
社長ミーティングの頻度はこちらのアンケート結果も参照ください。
3つの核心テーマ
- 経営方針とリスクの確認
- 重要な業務執行のプロセス確認
- コーポレート・ガバナンスのあり方
① 「苦言」を「リスク提案」に変換する
「社長、現在の〇〇という進め方は非常にスピーディーで素晴らしいですが、このままだとIPO審査において『内部統制の不備』と指摘され、上場が数ヶ月遅れるリスクがあります。上場を確実にするために、プロセスを〇〇に変えませんか?」
②「証拠」を突きつけ、客観的な意見として伝える
「私が言っているのではなく、審査担当者や監査法人の専門家が、類似事例で指摘するポイントです」と、客観的な基準を強調します。
③「社長面談」の場を活用する
大勢がいる取締役会で面談すると、社長は「面子(メンツ)」を守るために反発します。苦言は必ず「1対1の面談」で。
監査法人との関係
四半期毎
年度毎
ゼロ
など回答は分かれました。
→監査法人とのミーティングの頻度はこちらも参照下さい。
勤務実態について
常勤監査役の定義や勤務実態については、会社法上の明確な「週〇日」という数値基準は存在しません。しかし、IPO(新規上場)を目指す企業においては、「審査において認められる実質的な常勤性」という高いハードルがあります。
上場企業および上場準備企業においては、「週5日の常駐(またはそれに準ずるフルタイム勤務)」が標準です。週3日程度の勤務では、緊急時や不測の事態(内部通報や不祥事の兆候)に対応できないと判断されるリスクが高いです。
以下の常勤監査役の勤務実態のアンケートも参照下さい。
監査調書に関して
「見せる義務」はないどころか、独立性維持の観点からは「見せないのが原則」です。ただし、事実誤認を防ぐための「事実確認のプロセス」は必要です。
- 原則:監査調書は「非開示」
- ただし「見せるべき」例外(実務上の理由)
事実確認(Verification)のため
- 調書に書こうとしている事実に重大な誤解や認識のズレがある場合、それを基に意見を述べるのは監査役としてのリスクになります。「この議事録の解釈はこう認識しているが、事実に相違ないか?」といった事実のすり合わせ(ヒアリング)は、むしろ積極的に行うべきです。
指摘事項の改善に向けた協力
- 監査役が「ここにリスクがある」と指摘した事項について、管理担当役員に具体的に改善を求める際、調書の骨子を伝えることで、会社側の改善アクションを促すことができます
→監査調書はこちらも参照下さい。
- 監査調書に記載すべき詳細度の基準は、「後から第三者(監査法人や証券会社の審査担当者)が見た時に、監査役が何を根拠に判断し、結論に至ったかが再現できるか」という一点に尽きます。
- IPO審査において「調書はあるが中身が薄い」と見なされると、監査役が形式的にしか監査していないと判断されます。以下の構成で記載すると、審査担当者が納得する「実効性の高い調書」になります。
→監査調書はこちらも参照下さい。
非常勤監査役との関係
常勤監査役は非常勤監査役に積極的に情報提供を行う「義務」と「重要な役割」があります。
常勤監査役が情報を囲い込んでしまうと、非常勤監査役の監査機能が働かなくなり、結果として「監査役会全体として機能していない」とみなされ、IPO審査でマイナス評価を受ける原因となります。
非常勤監査役との関係はこちらも参照ください。
監査役会議事録に関して
- 監査役会議事録の記載内容については、会社法で定められた「法定記載事項」を網羅した上で、IPO審査において「監査役会が適正に機能していること(実効性)」を第三者に証明できる詳細度が必要です。
→ 法定記載事項は次の項目を参照
→監査役会議事録はこちら参照ください。
📋 監査役会議事録の法定記載事項(必須項目)
- 監査役会の開催日時および場所
- 例:「20**年6月17日 10時00分から11時30分まで、当社会議室にて開催」
- ※Web会議等の場合はその旨も記載します。
- 開催方法(または開催場所)
- 対面か、Web会議か、電話会議か、書面決議か。
- 監査役会の議事の経過の要領およびその結果
- 議論のプロセスと、最終的な結論(承認・否認・継続審議など)
- 監査役会において述べられた意見または発言の内容(※特に重要)
- 「意見や発言」とあるため、単なる要約以上の記録が求められます。特に異論や懸念事項は詳細に残す必要があります。
- 議事の経過において述べられた意見または発言の内容のうち、会社法で定められた事項
- 以下の事項が含まれる場合は、必ず記載しなければなりません。
- 取締役の職務執行に関する違法行為または著しい不当事項がある場合。
- 監査役が取締役会に対して報告した内容と、その結果。
- 以下の事項が含まれる場合は、必ず記載しなければなりません。
- 反対した監査役の氏名とその理由
- 採決において反対があった場合、または意見が割れた場合は必ず記載します。
- 議事録を作成した監査役の氏名
- 議事録作成の日時および場所
- 議事録に押印(または電子署名)した監査役の氏名
- 出席した監査役全員の記名押印(または署名)が必要
内部通報制度の運用に関して
内部通報の内容は会社によってケースバイケースです。
1.人事・労務に関する通報(全体の6〜7割)
①ハラスメント(パワーハラスメント・セクシュアルハラスメント)
② 長時間労働・未払い賃金
③ 不当な人事評価
2.業務執行・コンプライアンスに関する通報(1〜2割)
①経理・会計処理の不正: 架空取引、私的流用、経費の不正請求、売上の前倒し計上。
②法令違反: 許認可の不備、下請法違反(無理な納期設定や減額)、独占禁止法関連。
③情報漏洩・管理不備: 顧客情報の持ち出し、重要書類の紛失
3.社風・職場の人間関係に関する通報(1割程度)
①特定の社員による職場環境の私物化: 特定グループによる排他的な職場作り。
②えこひいき・情実人事: 社長の親族が重要ポストに就き、不合理な指示を出すなど。
「一件も通報がない」は逆効果、内部通報制度が機能していないかもしれません。内部通報制度の運用を見直しましょう。
①社内窓口のみの場合
従業員は「通報したら人事評価に響くのでは?」と不安で通報できません。
②外部窓口(弁護士・外部機関)を併用している場合
こちらの方が心理的なハードルが下がり、「本質的な不正」を早期に発見できる確率が高まります。
IPOを目指すのであれば、現在の「通報内容の内訳」を整理し、「どのリスクが会社に潜在しているか」を常勤監査役として分析し、議事録に残しておくことを強くお勧めします。